ギャヴレットの冠

タイトルに特に深い意味はなく、単に好きなソシャゲのキャラが使う技名である。

 

これまで数回にわたってグダグダと書いてきた、あくまで個人的な、あまりにも個人的な、いわゆる恋心について。

 

率直に述べると、私の理性は完璧に敗北した。

 

今日は特殊なタイプの祝日なのに、仕事に出ねばならず、ムシャクシャした心は収まらなくて、帰ってきてからはいつもより長めの距離を走って、そして、いつもより多めのお酒を飲んだ。

 

たったそれだけのはずだったのに。

 

いや、それだけのはずだったはずが…なのかな?

 

酒のつまみにネット上で眺めていた、恋を詠った和歌の群れに対して、およそ1000年の時間経過的アドバンテージを有して、余裕綽々の心で批判していたところ、久しぶりに聞いたとある曲によって、完全にダメになった。

 

替えのない代物だ恋は

力尽きたはずの心が

燃え盛る火に分け入って

荒れ狂う波に寝そべった

丸めて捨てられない恋が

擦り切れたままに転がった

 

ああ、なんて懐かしい!

椿屋四重奏ですよ奥さん!

 

リアルタイムで、というか20代そこらの頃に聴いていた頃は何も感じなかったのに、なぜいま…???という疑問がある。

 

そして完全に壊れた理性は、先ほど余裕綽々で批判していた和歌にさえ、前言撤回と謝罪を述べたのだ。いや、劣勢に立たされた理性は、即座に私自身に対して、恋に恋しているだけだと批判を行なったのだ。

 

しかしもうなんというか、ここまでくれば、この理性が批判した、言語というものの虚しさに、却って反撃にあったというか… 

 

何故かはほんとにわからない。30年生きて、そういう経験が無かったわけでは決して無いのに。まあ、いささか金を使いすぎた感くらいはあるか。

 

それでも、本当に本当に…。きっと、所謂イケメンだとか、社会的に成功している男だとか、強い男はこういう、気持ちの悪い心境にならないのだろうね。それだけは、今回あらためてよくわかった気がするよ。

 

椿屋四重奏のこの曲には性的なメタファーも出てくるけれど、私は対象とセックスをした訳ではない。と言うか、一週間のうち、数回会話をしたに過ぎない。それはあくまで私の能動的なものだったけれど。でも、それだけさ。それ以上は何もできないし、これ以上何もできないんだ。

 

この恋心に対しては。

 

ああ、とっても悲しい気分だ。わざわざ生まれた恋心を、知られぬように自分の手で終わらせるのだから。切なさに涙を流した夜もある。

 

…こういう感情はとっくに克服したと思っていたのに。これまでの人生で何回か経験してきたのに。それこそ、ただその夜を越えることすら辛いことだって、何回かは経験してきたのに…。何故私は学ばないのだろう。学ばないのだろう。何故私は強い男になれないのだろう…。

 

酩酊が進んで、理性の手をすり抜けた先には、この地球上で最も美しくて、最も可愛らしくて、最も輝いていて、最も可憐な貴方の、あまりにも愛らしい笑顔しか目に浮かばない。

 

何故あなたが、こんなにも愛しく思えるのだろう。

 

あなたとセックスがしたい訳じゃない。

 

あなたのその、最も美しくて、最も愛らしい姿を、その笑顔を、できるだけ長く眺めていたいだけなのに。

 

それだけの願いが、何故こんなにも難しくて…、そしておれは何故、自身の内に燃え上がったこの焔を、懸命に消そうとしているのだろう…。

 

ああ、ただひたすらに辛い。

 

最近では仕事も辛くて辞めたくて。

 

あなたを好きになった自分が、あなたを守れるほどの甲斐性がないことに悲しくなって。

 

ああ、なんて気持ちの悪い虫なのだろうね、私は。男じゃない、虫だよ虫。

 

そして、そんな虫に好かれて喜ぶ人間なんか、いやしないよ。

 

おっと、自己批判はそこまでにしてほしいな。これじゃ自殺だね。辛いだけだよ、どちらにせよ。

 

こんなにグダグダと無駄な言葉を垂れたい訳じゃないんだ。

 

ただ、あなたに、好きだと、愛していると、伝えたい、、

 

それだけなのに。

 

それだけのことなのに…