「ドラゴンクエスト ユアストーリー」に対するレビューを見ていて思ったこと。

ドラゴンクエスト  ユアストーリー」に関しまして。

 

私はどちらかというとドラゴンクエストよりはファイナルファンタジー派で、特にファイナルファンタジー5は今でも記憶の浅瀬から深海に渡って強烈に、巨大に、果てしなく、途方もなく残り続ける、人生におけるマスターピースのような作品です。初恋はファイナルファンタジー5のレナと断言して良いでしょう。聖母のように慈悲深くて、それでいて精神的にタフであるというキャラクター設定。ストーリー中でも悲惨な目に遭うことが多いながらも、レナと言うキャラクターに対して悲壮感が先行しないのは、彼女のタフさによる部分が大きいと思います。病気の飛竜を治すために、人間には毒である飛竜草を自ら口に含み、衰弱した飛竜に口移しで食べさせるところなど、当時11歳ですでに激烈に人間と言う名の動物が大嫌いで、腕にペンタグラムや逆十字をナイフで刻み、部屋の壁を真っ黒に塗って悪魔を崇拝していた私にとっては、永遠に忘れられないくらい衝撃的でした。メリュジーヌに攫われても、エクスデスに生家であるタイクーン城を消されても、悲しみに囚われて動けなくなることなく健気に立ち向かう姿は、なんと強く美しい。かよわいだけではない、むしろそれを跳ね返すほどの強さを持っているところが、私がレナというキャラクターに対して激烈にブヒるようになった要因だと思います。ですから私はファイナルファンタジー5をプレイする度に、レナを最強にしようと頑張って彼女を一番に育てようとするのです。しかし、冷静に考えてみた時に、メリュジーヌに攫われてパーティを離脱する期間が何気に短くない関係上、結局バッツを最優先に育てます。

 

話が完全に逸れてガードレールを突き破り崖に落ちました。

 

ドラゴンクエストに関しては、大人になってから楽しくプレイするようになりました。若い頃は経験値やゴールド稼ぎがめんどくさかったこと、ファイナルファンタジーみたいに特定のアビリティや魔法の組み合わせでチートできなかったこと、あとは敵モンスターから逃げづらいことが要因であまりプレイしませんでした。(私には根性だとか甲斐性というものがないのか…)

 

それでも、ドラゴンクエスト4は本当に名作だと思いますし、すごくハマりました。3は今とてもハマっています。1と2もやりましたが、原点かつ王道の安定感、面白みを余りなく味わいました。音楽のヘヴィメタルで言うとアイアンメイデンのような感じですかね。ちなみに余談ですが、個人的に6は難易度が高すぎるように感じることと、職業システムがキャラクターの個性による能力値の差とうまく噛み合っていないような気がして、そんなに評価は高くないです。地底魔城の道中で敵モンスターのやけつくいきでマヒ全滅って、ここ運ゲーじゃないですかね…。まあ、2のロンダルキア抜けた後のブリザードザラキも同じか…。

 

で、映画「ドラゴンクエスト ユアストーリー」の元となっているドラゴンクエスト5ですが、個人的には大好きです。やはり、父親であるパパスとの旅、ゲマとの因縁、奴隷時代、結婚…と、印象的な場面が多いですよね。個人的には息子が勇者ってのも燃えましたね。結局ミルドラースと戦う直前で飽きてやめてしまったのですが、近いうちにスマホアプリ版でリベンジしたいです!

 

で、やっと冒頭の映画「ドラゴンクエスト ユアストーリー」に関してなんですが、何かこう、ネタバレとレビューを見ているだけで、同じ原作を知るゲーマーとして、なんとも悲しく、やるせ無い気持ちになってしまいますね。。

 

私はまだ観ていなくて、観ずして語ることはご法度だとはわかっているのですが、レビュワーの悲しみや悔しさが余りにもダイレクトに伝わってくるもので、書かずにはいられませんでした。

 

この作品の焦点は、「これドラゴンクエスト5である必要あった?もっというと、ドラゴンクエストというブランドでこれやる必要あった?」だと思います。ドラゴンクエスト5を全く知らない方であれば、そういうものだとしてそこそこ楽しめるでしょう。恐らく。私が今からけものフレンズ2を観たとしても、それなりには普通にそこそこ楽しんで観るのでは無いかと思います。私は1を観ていませんから。(…とはいえ、私がけものフレンズ2を観てからけものフレンズ1を観たら、それはそれで私自身がデビルマンに出てくるデーモンと化しそうですが…)

 

色々な方が仰っていますけど、ゲームだとかアニメにおけるメタネタって、もう全然新しくなくて、むしろ手垢にまみれたありきたりなものになってしまってるんですよね。昔売れたブレイブリーデフォルトにも出てきましたけど、正直真新しさなんて感じなかったし、誰かの「どや!この意表をつく展開!」みたいな射精顔が脳裏に浮かんだので、やめてほしかったです。

 

ドラゴンクエストのプレイヤーに、現実忘れてまでゲームに没頭するコアな人たちは殆どいないような気がするのですが、結局のところ、ライトゲーマーからゲームをしない人にまでその存在を認知されている、ドラゴンクエストと言うブランドだからこそ、このような説教くさいメッセージ発信に利用されたのでしょうかねえ。。

 

その辺はネット記事で詳しく解説されていて、私も同意する限りですが、ただただ、愛した作品が侮辱されたような、なんとも言えない悔しさと悲しさを、私もまた感じています。まだネタバレとレビューしか見ていないのに。逆にいまから観に行ったら、納得できたりするのかも知れないなア。

 

とはいえまあ、ドラゴンクエストの映画化なんて、そりゃ皆さん王道を期待するでしょ。ある意味、超絶安パイです。ゲームをそのまんまストーリー通りに映画化すればある程度のヒットは約束されているのですから。それでいて、その実はかなりチャレンジングでしょう。プレイに40時間とか50時間とか普通にかかるゲームを、どうやって映画の尺の中に収めるのか。ストーリーのどの部分を捨てて、どの部分を拾うのか。どの部分を工夫して圧縮するのか。どの部分をクローズアップするのか。数々の名場面を映画でどう演出するのか。戦闘シーンは?呪文は?ストーリーそのまんま映画にするだけでも、かなりクリエイトと言う面でチャレンジングなのではないかなあ。

 

その意味では、予告編はとても良かったと思います。迫力あるシーンもあったし、俳優の演技も思ったより良かったし。個人的には、主役級に本業の声優ではなく俳優を起用している時点で、観に行く気にはなりませんでしたけど。。

 

この記事で伝えたいことなどは特に無いんですけど、兎にも角にも、なんでドラゴンクエストでこのような悲惨な事故が起きてしまったのか、本当に理解できません。ただただ悲しみと悔しさだけが、ネタバレとレビューしか見ていない僕にさえ発生しています。

 

観に行ったら、この悲しみや、悔しさは、多少は癒されるのでしょうか?