Fucking Worthless

「会社、クビだな…」と思った。

 

今年に入ってから何故だかクソ成績が振るわない営業部が頼みの綱とする大口顧客に対して、おれは数多の失態を犯したのだから。そして、クビならクビで良いと開き直る自分がいた。だって、こんなに自分を消耗して、平日はいつも深夜まで働いて、なおかつ土日も無いようなこんな生活で、手取り20万程度のカネを追いかける生活なんて…。ってカンジだし。いま。

 

が、現実はおれの予想に反した。

 

鬼のような副部長がいて、彼は日々「◯◯(おれのこと)はクソだから顧客を全部を外せ!」と憤っていたらしい。

 

実際、おれも同感だった。

 

昨年はたまたま顧客の全てとウマが合い、絶好調だったが、今年はそうじゃない。昨年がマグレだっただけで、おれは能力的にはクソなんだと、たった今年に入ってからの2ヶ月程度でイヤというほど痛感した。そして大切な大口顧客にミスをしまくるおれ。「クビだな絶対。」

 

然し乍ら、ああ、現実の悲しきところよ。おれがクビになれば、きっとみんなが幸せになれたのだが、そこにはたった一つだけの重大な欠陥があった。

 

「人手不足」

 

笑えてくるよなあ。営業の鬼と言われた副部長、てっきりおれをシメ上げ、ボコボコにすると思っていたら、「お前殺す」みたいな目つきをしながら柔和に、優しい口調でおれにおれのこれからを説明してきた。おれはクビじゃなかった。

 

残念だ。心から。

 

実際のところ、裏で様々な思惑はあるのだろうけれど、おれはいま、とにかく会社を辞めたい。それは(つまるところウチの会社が人手不足だと言う現実によって)とても面倒見の良(くせざるを得な)い先輩達や、(ウチの会社くらいしか仕事を丸投げ出来るところがないだろうから)とても優しくしてくれおれのことを(実際にはウチの会社にそれまでのように仕事を丸投げ出来なくなることを)心配してくれる顧客に対してはとても申し訳ない行為だとは思うものの…。

 

ああ。

 

しかし考えてみれば、こうして自分が生きていない日々を生き抜くことになんの価値があるのやら。だいたい、売上だけを求める時世でもねーんじゃねーのかよ。おれが担当してる大口顧客、クソ薄利じゃんイマ。前任は一般人ならとっくに過労死してるレベルで働いてたキチガイだしよォォォ。

 

ハァ。なんなんだろうネ、ジンセイ。

 

膣に生チンポ突っ込んで射精したい気分でもないし、ただ永遠に布団にくるまっていたいよ。いつまでも終わらない、涼しいと言うには肌寒い風を、いつまでも肌に感じて、そして布団の安心感に包まれいたいんだ。いつまでも続く、夜の暗闇の中で。

 

早く会社を辞めて、精神科に行きたいよ。おれはきっと病気なんだ。絶対。病気なんだ。

 

いつまでも明けない夜の空の底で、いつまでも昇らぬ太陽に安心しながら、いつまでも布団にくるまっていたい。いつまでも熱を帯びない、少し冷たい、そして少しだけ痛い風を感じながら。